氏名 : 末吉史弥 (281467060)
所属 : 白石研
題目 : ノルマルヘプタンの予混合自己着火過程における流れの役割解明のための数値実験
概要 :
近年,自動車エンジンにおいて高熱効率,低公害化が求められている.空気と燃料の予混合気を圧縮し自己着火させる予混合圧縮自己着火 (HCCI)は, 既存の燃焼方式に比べ高い熱効率とNOxなどの大気汚染物質の削 減が期待できる燃焼方式として着目されている.しかし, 乱流燃焼における着火時期の制御など実用化に向け克服すべき課題も多い.
近年のスーパーコンピュータの発達により,乱流燃焼の直接数値シミュレーション(DNS) による解析が可能になってきている,最近ではガソリンの主成分のひとつであるノルマルヘプタンの簡略化学反応を用いた自己着火過程の3次元DNSが実施され,,乱流に自己着火時期を遅らす働きがあることが示されている.しかしそのメカニズムの本質的な理解は得られていない.
本研究では,自己着火過程のDNSに基づく簡単な数値実験により,流れと着火時期の関係を明らかにすることを目的とする.これまで2次元DNSを用いた数値実験により初期温度場の最高温 点近傍のシアが強い場合に着火時期の遅れが大きいことが分かった.今後は乱流により自己着火過程の制御を目指し,温度場の散逸要素を用いた条件付き統計解析3次元DNSによる数値実験を実施する予定である.
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