背景
タンパク質の立体構造情報は、タンパク質の機能推定や創薬の場などで用いられる重要な情報である。実験による立体構造解析では時間と費用が膨大にかかり、さらに構造が決定できない場合もある。計算機でタンパク質の立体構造予測を行うことで、それらの問題を解消できるだけでなく、アミノ酸配列と立体構造の関係を解明することにつながる。タンパク質の立体構造予測法の1つに、既に構造が決定されているタンパク質を鋳型として用いる手法(Template Based Modeling:TBM)がある。その現状として、比較的よい鋳型を立体構造データベースから探索することができているが、その鋳型を基に作られたモデルの精度が低い場合、残基レベルでモデル品質を正しく評価する方法が存在しない。予測モデルを残基レベルで正しく評価できるようになれば、TBMの精度を向上させることができる。
本研究の目的
タンパク質立体構造予測における残基レベルのモデル品質評価法の開発。
発表内容
提案手法によるベンチマークテストの結果と、それに基づいた考察を述べる。