氏名 : 穴山 晃士郎 (281367027)
所属 : 白石研
題目 : 一様乱流における小スケール渦構造の大スケール統計に対する影響
概要 :
乱流は多階層, 多自由度, 強非線形の現象である. また, コルモゴロフの仮説によると, レイノルズ数が十分高い乱流では,
エネルギーの大半を保有する大スケールよりも十分小さく, エネルギーが粘性によって散逸する領域よりも十分大きなスケールにおいて,
どちらの領域の詳細にも依らない普遍的統計性があると考えられている. つまり, 小さいスケールの渦構造は、大きいスケールに影響しないことが示唆される.
一方, 強い渦度の領域は管状で, 秩序的であり, 乱流中には管状渦が数多く分布している.これらの渦構造の代表的な半径は散逸スケール程度である.
管状渦は特徴的な形状をしているため, これらが乱流の基本的な要素であり, 大きいスケールにおける統計的普遍性の要因になっているという考えもある.
すなわち, 相反する2つの考え方がある.
そこで, 本研究では, 3次元一様乱流における大スケールの乱流統計に対する散逸領域の渦構造の役割の解明を目的とする.
そのために,散逸領域に渦構造を破壊する外力を導入した直接数値計算(Direct Numerical Simulation,
DNS)とその外力がないDNSの結果を比較して, 渦構造の影響を定量的に評価する.
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