本研究は、ノイズ除去問題や特徴抽出などの画像処理問題を表した数理的モデル を解くアルゴリズムについて取り扱う。近年、画像処理問題はディジタルカメラといっ た消費者向けのカメラにとどまらず、航空写真や医療のCT画像などでも必要とされて いる。現在、航空写真や医療画像の分野では、高速に解くことよりも高精度に解くこ とが求められている。
これまでの研究で、これらの画像処理問題を解くアルゴリズムとしてsplit Bregm anアルゴリズム、Proximal Pointアルゴリズムの二つが有用なものとして挙げられて いる。そこで、本研究の最終的な目標としては、様々な画像処理問題をsplit Bregma nアルゴリズム、Proximal Pointアルゴリズムのそれぞれのアルゴリズムで解き比較 し、問題ごとによってどのアルゴリズムがよいのか解明することである。
今回の本発表では以下の三点に重点を置いて発表を行う。一点目は、この研究に 取り組むことになった経緯を卒業論文と関連づけて説明する。二点目は、様々な画像 処理問題について、実際に画像を用いた例を見ながら、取り扱う数理モデルについて 説明する。そして、最後にsplit Bregmanアルゴリズムについて説明する。