氏名 : 牧志 洸 (281267278)
所属 : 笹井研
題目 : ES細胞の分化初期段階における状態遷移
概要 :
- 背景
ES細胞は、胚盤などの胚体外組織の細胞の他、三胚葉(内胚葉、中胚葉、外胚葉)すべての細胞に分化できる能力を持ち、再生医療の分野で注目されている。この能力を分化多能性と呼び、分化多能性の維持にはOct4、Sox2、Nanog遺伝子が重要であると考えられている。
- 目的
ES細胞が持つ特徴の一つとして表現型の不均一性が挙げられる。そこで本研究の目的は、この不均一性が何故起こり、分化にどのような役割を果たしているかを明らかにすることとする。
- 発表内容
Oct4、Sox2、Nanog遺伝子を中心とした転写制御ネットワークモデルを構築し、未分化のES細胞から、分化初期段階までを追う確率シミュレーションを行った。その結果、分化多能性を持つ細胞では遺伝子の活動パターンに複数の状態があることが分かった。さらに各状態間の遷移速度を計算することによって、エピジェネティックランドスケープを描いた。本発表ではこのランドスケープから示唆されるNanog遺伝子のスイッチングの遅さの重要性について重点的に述べる。
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