<背景>
プレートフィン構造体は次世代原子力発電システムにおいて熱交換器の伝熱コ ア部に用いられる構造であり,高温高圧の過酷な条件下で使用されるた め設計 時には詳細な強度評価が必要となる.しかし,プレートフィン構造という複雑な 微視的構造を有する熱交換器について,3次元非弾性の有限要素 解析を行うには 莫大な節点数が必要となり計算自体が非常に困難である.
<目的>
本研究の目的は,プレートフィン構造体を簡略化したモデルに均質化構成式を 適用することで本来の特性を再現しつつ計算負荷を低減することであ る. この時に用いる均質化構成式は,池ノ谷,大野らによって構築された弾粘塑性均 質化構成式であり,内圧の影響と材料の速度依存性が組み込まれてい る. この均質化構成式のパラメータは,均質化理論を用いてプレートフィン構造体の 変形特性を求めて決定する.
<発表内容>
・プレートフィン構造の一段モデルについて均質化構成式を適用した解析結果を 示し,FEM解析で得られた結果と比較することで,内圧の影響と速度 依存性が均 質化構成式によって的確に再現できているか示す.
・フィンが交差している部分について二段モデルを作成し,上記と同様に検討す る.また,上段と下段に内圧差がある場合の結果も示 す.
・上記2点を踏まえ,今後の研究予定を示す.