本発表では、大規模データの主成分分析における固有値解析を取り扱う。
主成分分析は経済学の分野生まれた統計手法であり、様々な分野に使われている。 その応用の一つとしては、遺伝子データ分析がある。しかし、遺伝子データ分析する 際には、対象となるデータが大規模になるため、莫大な計算資源が必要である。
主成分分析の手順の主要な部分は、分散共分散行列の計算と、その行列の固有値 と固有ベクトルの計算である。大規模データの場合、分散共分散行列の作成の計算量 は非常に大きくて、固有値と固有ベクトルの計算も容易ではない。
本研究では、ベキ乗法を使うことで、行列と行列の掛け算と分散共分散行列の作 成を回避し、計算量を削減することができた。