近年普及が進んでいる携帯端末には加速度やGPSなどのセンサが搭載されている。そのような装着型センサを用いてコンテキストアウェアサービスを実現する試みが行われている。
コンテキストに合わせて適切なサービスを提供するためには、常時行動認識を行わなければならない。現在の携帯端末には、電力と記憶容量に関する制限があるため、省電力化と低容量化が求められる。そこで、できるだけセンサによる観測を少なくして行動認識を行う必要がある。また、ユーザの利便性を考慮すると、装着するデバイスの数もできるだけ少なくする必要がある。
本研究の目的は、装着型センサを用いた行動認識について、サンプリング周波数、センサ数、装着位置などの観測方法に関して適切なパラメータを求めることである。
まず、適切なサンプリング周波数を求めるために、サンプリング周波数と人間行動認識率の相関分析を行った。大規模データとしてHASC Corpusを使用し、識別する行動の種類は歩く、走るなどの6種類である。元データをダウンサンプリングし、一般的な学習器であるJ48を用いて行動認識率を測定したところ、15Hz程度が適切であることが分かった。