インターネットやPCの発展に伴い,ネットワーク越しでのビデオ会議や三次元仮想空間を用いたビデオコミュニケーションシステムが数多く実現されている.高品質なコミュニケーションを行うためには,各クライアントがそれぞれのネットワークリソースを最大限活用する必要がある.しかし,現在の多地点間コミュニケーションシステムでは,効率よくネットワークリソースを利用できていない.
本研究では,より高品質な多地点間コミュニケーションの実現するために, アプリケーション層のクライアント間でのパケットルーティングを目指す.実環境においてネットワークリソースを最大限活用するためには,ネットワーク層でのパケットルーティングが理想であるが,ユーザの意図やネットワーク環境による制限などにより,ネットワーク層での解決は容易ではない.そのため,この課題を解決する手段として,アプリケーション層トラフィックエンジニアリングを行う.多地点間コミュニケーションシステムにおいて,アプリケーション層でのパケットルーティングを実現するために多地点間通信ポリシを表現するフレームワークを提案する.このフレームワークにより,多地点間通信のトラフィックを容易に制御できる.
また,通信を可視化し,提案ポリシに応じた制御を行うためのポリシマネジメントクライアントを導入する.