氏名 : 桑山 剛 (281167079)
所属 : 大野研
題目 : 有限要素法に基づく高分子材料の膨潤座屈解析
概要 :
膨潤とは,高分子材料を溶液に浸した際に,溶媒分子を吸収することで材料の体積が何十倍にも増加する現象である.膨潤により内圧が生じ,材料表面が座屈する(膨潤座屈と言う)ことで様々な変形パターンが発生する現象が報告されている.本研究の目的は,この膨潤座屈による変形パターンの発生メカニズムを解明し,工学の先端技術へ応用することである.本研究ではまず,汎用有限要素解析プログラムABAQUSに,Kangらが提案した材料モデルを導入することで,単純な膨潤現象を再現した.次に,Zhangらの実験(高分子材料を一方向に引っ張り膨潤させると,引張の大きさに依存した異なる変形のモードが現れる)の有限要素解析による再現を試みた.しかし,自己接触と呼ばれる現象が生じて計算が困難とな
り,解析の途中で止まってしまった.解析が目標値まで進んでいないため今後はこの問題を解決したいと考えている.また,高分子材料の力学的特性は,超弾性体というモデルを用いて表すことができ,現在適用している理論より一般的なモデルが提案されているため,膨潤現象をこれらのモデルに組み込むことで理論の拡張し,目的とする膨潤座屈による変形パターンの発生メカニズムの解明を目指す.
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