氏名 : 小笠原 浩樹 (281167036)
所属 : 計算流体グループ
題目 : 乱流境界層の直接数値シミュレーションを用いた乱流・非乱流界面の解析
概要 :
航空機・自動車・新幹線などの高速移動物体の表面には乱流境界層が現れる。
乱流とは大小様々な渦が混在する複雑な流れのことであり、乱流境界層とは移動
物体表面で発生した渦が発達してできる、表面近傍の乱流領域のことである。乱
流境界層の特徴として、乱流領域と非乱流領域にはっきりとした境界(乱流・非
乱流界面)が存在し、その乱流領域が下流にいくにつれ非乱流領域側に発達して
いくことがある。
この界面の3次元構造とその時間発展は移動物体の空気抵抗と深く関係している
ことが知られている。乱流・非乱流界面の時間発展について、近年盛んに研究が
されており、乱流墳流や乱流後流に現われる界面と乱流境界層の界面の時間発展
のメカニズムは異なることが示唆されているが、その詳細を定量化するには至っ
ていない。
本研究では、乱流境界層の直接数値シミュレーション(DNS)を行い、その界
面の3次元構造とその時間発展の理解と定量化をすることを目的とする。
DNSとは流体の支配方程式であるナビエストークス方程式をそのまま解くシ
ミュレーション手法である。その利点として、流れ場の様々な物理量の詳細な空
間構造が容易に解析できることが挙げられる。本発表では、乱流境界層の界面を
特徴付けるために今までに行った解析結果および今後の展望について説明する。
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