氏名 : 藤樫 明生 (280967195)
所属 : 旧笹井研(美宅研)
題目 : 滑り運動を可能にするアクチン・ミオシン間相互作用の自由エネルギーランドスケープ
概要 :
筋肉はアクチンとミオシンという蛋白質が交互に並んだ構造をしており、筋収縮はATPというエネルギー運搬体を消費して、この2つの蛋白質が互いにスライドし、重なる部分が多くなることで起こるが、そのメカニズムはまだ解明されていない。教科書などではレバーアームモデルというモデルで説明されているが、そのモデルでは近年、一分子実験により得られた1回のATP加水分解の後、ミオシンは5.5nm(アクチン1個の長さ)のステップの一方向的な移動を複数回繰り返す(横滑り)という結果を説明することができない。
本研究ではその横滑りに必要な条件を明らかにすることを目的として、様々な条件においてシミュレーションを行い、アクチンフィラメント上の自由エネルギーランドスケープを計算した。その結果、アクチン・ミオシン間の相互作用として静電相互作用を考えることによりミオシンのバイアスを持った運動が説明可能な非対称な傾きを持つ自由エネルギー面が得られることがわかった。
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