氏名 : 白井 宏一郎 (280967160)
所属 : 金田研
題目 : 衝撃波を伴った熱音響自励振動の数値解析
概要 :
熱音響自励振動とは、流体の入った細管壁に大きな温度勾配を与えると、管内の流体が管壁との熱的相互作用で自発的に振動し音波が発生する現象である。この現象の工学的応用例として熱音響エンジンや熱音響冷凍機などあり、実用化に向けた研究が盛んに行われている。これらのデバイスでは、温度差が大きいほど高い出力を得られるが、それに伴い音波の振幅が大きくなり、衝撃波が形成される可能性がある。実際、Takahashi et al.(2009)はループ型熱音響エンジンにおいて加熱量を増大させると、ループ管内を音速で周回する衝撃波が形成されることを確認した。衝撃波が発生すると、熱音響デバイスの性能が著しく低下するため、その抑制が実用化に向けた重要な課題となる。
本研究では、1本の細管内で生じる熱音響現象であるタコニス振動について、大きな温度差の場合の数値シミュレーションを行い、衝撃波が形成されるメカニズムを明らかにすることを目的とする。計算手法には2次元圧縮性Navier-Stokes方程式を基礎方程式として、近似因子分解法に基づいてShida(1987)らが開発したブロック5重対角行列スキームを用いる。
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