氏名 : 金田 佑介 (280967110)
所属 : 古橋研
題目 : 適応的判別によるBrain Computer Interfaceの判別時間短縮に関する研究
概要 :
近年,Brain Computer Interface(BCI)の研究が盛んになっている.BCIとは,脳から計測された信号を解析し,その情報を基に脳からの指令をコンピュータに伝えるインターフェイスである.脳活動の計測では,非侵襲・安
価であるため最もBCI に現実的な脳波(EEG)が用いられることが多い.脳波に基づくBCIのコミュニケーションツールの一つにP300 spellerがある.P300 spellerでは,6×6マスのマトリクス上にアルファベットと数字が計36
文字配置されており,脳波から得られる事象関連電位(ERD)の一種であるP300の出現の有無により文字判別を行う.従来のアプローチでは,複数試行から得られるEEG データの加算平均をした後P300の判別を行うことが一般的
であり,判別あたりのデータ長(判別時間)を長くすることで,判別正答率が向上することが多数報告されている.しかしながら,P300 spellerの実用的な応用を考えたとき,判別正答率を高めつつも,判別時間を少しでも短
縮することが求められる.また,情報通信分野における誤り制御手法であるReliability-based ARQ(RB-ARQ)をBCIに用いる手法が提案され,判別正答率改善に対する判別時間の増加が少ないことが報告されている.本研究で
は,選択的にデータの再送要求をするRB-Selective ARQ(RB-SARQ)を提案する.発表では,P300 spellerにRB-SARQを適用し,従来手法と比較して判別時間の短縮が可能となることを示す.
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