氏名 : 横田 昌吾 (280867247)
所属 : 笹井研究室
題目 : 局所的アンフォールディングが、アデニル酸キナーゼのアロステリック転移に与える影響
概要 :
タンパク質のアロステリック転移を表現する粗視化モデルが、近年いくつかのグループによって報告され、その多くのモデルのコンタクトポテンシャルは、open構造
とclosed構造で極小を持つと仮定したdouble minimum modelである。それらに対して我々は、カメレオンGo modelという違ったモデルを提案する。このモデルでは、
コンタクトポテンシャルが1つのみ極小を持ち、その位置が周囲環境の局所的な変化に応じて移動すると仮定した。これまでに、このモデルを用いて、アデニル酸
キナーゼの分子動力学シミュレーションを行い、open構造とclosed構造で、極小を持つような自由エネルギーランドスケープを表現することに成功している。しかし、open構造と一致している自由エネルギーの極小は、構造的なエントロピーによって安定化されており、double minimum modelでの仮定と正反対であった。そこで、本研究では、このモデルの相互作用に局所的アンフォールディングの影響を入れ込み、アデニル酸キナーゼのopen構造とclosed構造の間での転移に当てはめた。このモデルが、エネルギー的に安定化された2つの構造を持つ別の状況を表現でき、カメレオンGo modelにより両方の状況を描くことが出来るかどうかを調べた。
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