現在、電力会社は原子力、火力、水力、揚水機のような多種類の発電機の複数 機で電力を供給し、発電機の起動及び停止は主に管理者の経験で決定している。発電 機の数が数十機以上の規模に増えると管理者の経験だけに頼る運転計画の作成は困難 となる。本研究は数値計算により時間帯ごとに与えられた電力需要を満たすように、 数多くの発電機の起動停止スケジュール及び発電量を求める。発電機の種類と数によ り大規模かつ複雑になる。そこで、膨大な計算量を自動で効率的な手法の開発に取り 込む。
発電機の性能、電力需要などの制約があり、最小運転停止時間のような実用上 の運転制約を考慮して、本研究では主に数値解法として動的計画法(DP)を採用する。 また、ラグランジュ緩和法などと組み合わせて、運転計画の作成を支援する。更に動 的計画法を近似的に解くことにより、大規模な問題を実用的な時間内で計算する。
今回の発表では、まず数学定式化と動的計画法の説明を行い、数値実験の結果 を示す。また、同じ問題に対して全探索法とナップサック法の数値実験を実施し、各 解法の計算性能の評価を行う。