ある条件の下で目的関数を最小化するような問題は制約付き最適化問題という. このような問題は物理現象を理解するための逆問題を解く際に度々生じ, その効率的な解法が望まれている。 本研究では,ベクトルx が単位球面上にあるという条件の下で, 目的関数を最小化するような次の問題について考える.
min f (x ) = 1/2xTAx - xTb s.t. ||x ||2=1 .
ただし,A は行列,x, b はベクトルである.
このような問題を解くには,複数の連立一次方程式を解く必要が生じる.
従来法では,複数の連立一次方程式を一つずつ解くため,計算量が多く,
実行に時間がかかる.
そこで,本研究では従来法の効率化を目指し,
Shifted CG法という手法を用いることを考える.
この手法では,代表の方程式を一度CG法を用いて解いた後は,
その情報を他の方程式の計算で再利用することにより,
わずかな演算コストの増加のみで複数の連立一次方程式を解くことができる.
ポスターでは,Shifted CG法の詳しい適用方法や,数値実験の結果を報告する.