本研究は配列検索により見つけた鋳型を、シミュレーションにより更に天然構造に近づけることを目的としている。目標とする予測精度は天然構造とのRMSDで2Å以内である。 構造探索法は断片構造を組み合わせて全体構造を作り上げるフラグメントアセンブリ法を用いた。
本研究が従来と違う新しい点は2つある。まず断片構造の集め方である。 従来の方法では局所的に似た配列を探して断片構造を集めたが、本研究では局所的に似た構造を探して断片構造を集める。 これにより局所的に似た配列がなくても断片構造を集めることが可能になる。もう1つはエネルギー最小化を取り入れた新しい構造探索法である。 これにより、今まで許容されなかった断片構造の置換を許容することができる。これらの2つの手法を組み合わせることにより、従来よりも高い精度の構造予測をすることに成功した。