氏名 : 田中 雄介 (280767137)
所属 : 安藤研
題目 : 物理レジスタ二段階解放による先行実行手法の値予測を用いた改良
概要 :
近年のプロセッサは,クロック周波数が高く,命令実行速度とメモリアクセス速度との乖離が非常に大きい.このため,ロードの長いレイテンシは,性能に深刻な悪影響をもたらしている.
この問題を解決する方法として,データをプリフェッチしておく方法がある.プリフェッチを実現する手法のひとつに,物理レジスタ二段階解放を行うことで,各命令の先行実行を実現する手法がある. この手法では,各命令を通常の実行に先行して行うことで,データのプリフェッチを行い,ロードのレイテンシ削減を実現した.また,実際に命令を実行するため,複雑なアクセスパターンにも対応することができる.
しかし,この手法ではプログラムに内在する命令レベル並列性(ILP)を利用して先行実行を行う.このため,もともとILPの低いプログラムでは十分な先行実行を行うことができない.
これに対し本研究では,新たなILPを生み出す手法として値予測に着目する.値予測によって命令の実行結果を予測することができれば,プログラム中に存在する真の依存関係を除去することができる.これにより,従来先行実行できなかった命令も先行実行することが可能になると考えられる.
そこで本研究では,物理レジスタ二段階解放による先行実行手法に値予測を導入し,その効果を評価する.
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