氏名 : 高橋 知也 (280767102)
所属 : 金田研
題目 : ポリマー添加によるチャネル乱流の抵抗低減効果直接数値シミュレーション
概要 :
パイプ内の乱れた水流に微量のポリマーを添加することで摩擦抵抗が大幅に減少する「Drag
Reduction(DR)効果」が1949年にTomsによって発見されて以来、摩擦抵抗の低減は工学的に非常に重要なテーマとして、これまで数々の研究が行われてきた。しかしながら、未だにDR効果が起こるメカニズムの完全な理解には至っていない。
一方、近年、基礎的な乱流場のひとつであるチャネル乱流にポリマー添加の効果を加え、流体の運動方程式をできる限り正確に解く直接数値シミュレーション(DNS)が活発に行われてきている。その成果の1つとして、ポリマー添加の効果を加えた乱流(DR乱流)ではNewton乱流に比べ、主流方向に長い渦構造を持つことが分かってき
た。そのため、主流方向に十分長い領域をとったDNSを行う必要があるが、DR乱流においては数値パラメータが多く、現状では十分なデータが得られているとはいえない。
そこで本研究では、ポリマー添加の効果として、シンプルではあるが実験結果との整合性が高いFENE-Pモデルを適用したチャネル乱流の大規模DNSを行い、DR効果のメカニズムを解明することを目的としている。発表では、FENE-Pモデルを適応した流体の支配方程式、計算手法の詳細に加え、DNSの途中結果を紹介する。
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