氏名 : 杉木 慎吾 (280767099)
所属 : 金田研
題目 : 乱流混合層の直接数値シミュレーション
概要 :
剪断層が壁面に束縛されない乱れた流れ(自由剪断乱流)の理解は、工学的にも学
術的にも重要とされ、多くの研究が行われている。乱流混合層、乱流噴流、乱流
後流はその代表的な流れであり、中でも乱流混合層は速度不連続面のみを取り出
した、乱れが空間的に局在する最も基礎的な流れの一つであり、その理解は特に重
要である。この乱流混合層に関する研究は、Brown&Roshko(1974)の実験による二
次元的な大規模渦構造の発見を境に盛んに行われ、近年では大規模な直接数値シ
ミュレーション(DNS)によって多くの成果が得られている。しかしながら過去のDNSでは、一様等方性乱流における大規模DNSのような十分発達した乱流状態は捉
えられておらず、まだ乱流混合層の理解に必要な十分高いReynolds数を実現でき
てはいない。
そこで本研究では、乱流混合層の大規模DNSを行い、各方向の渦の最小スケール
を見積もることで流れ場を解像するのに適切な格子幅を理解すること、また同時
に、DNSコードの効率化も目指し、今後のより大規模なDNSに向けた重要な知見を
得ることを目的とする。なお本研究では、Spalart et al.(1991)による、Jacobi
多項式を用いた高精度・高解像度なスペクトル法を適用した。発表では、計算手
法の詳細、DNSの途中結果を紹介する。
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