氏名 : 加藤 伸幸 (280767072)
所属 : 安藤研
題目 : 命令スケジューラの深いパイプライン化
概要 :
汎用プロセッサは、命令メモリから命令をフェッチして「命令ウィンドウ」へ蓄え、実行可能なものから実行していく。
つまり命令ウィンドウが大きければ命令を多く蓄えられるから実行可能な命令が多くなる可能性があり、性能向上が見込める。しかし命令ウィンドウから実行可能な命令を探して、優先順位の高いものを決めるという作業(命令スケジューリング)は現在クリティカルパス(1サイクルで行える限界)となっているために命令ウィンドウを大きくするのは難しい。そこで命令スケジューリングをパイプライン化(複数サイクルに分割)することによって、クリティカルパスとなることを回避する。しかし命令の発行に複数サイクルかかると、依存命令の発行が毎サイクル行えなくなるので IPC (1サイクルあたりに処理できる命令数の平均)が低下してしまう。
研究の目的は、IPC を大きく低下させることなく命令スケジューラをパイプライン化することである。
命令スケジューラのパイプライン化に関する研究は以前にもなされているが 2段のパイプライン化に適合したものであり、この方式をそれ以上の段数に適用できるよう拡張することは難しい。そこで本研究では別のアプローチをとる。
具体的には、履歴ベースで命令間の発行タイミングを予測し、それにしたがって依存が解決する前に命令を投機的に発行する。
評価はシミュレータを作成し、測定することによって行う。
目次に戻る