パワーエレクトロニクス機器をはじめとした工業的システムの設計においては, コストや製作工程の制約から,シミュレーションによるパラメータスタディが 必要不可欠である.近年の計算機技術の発展により,得られる解の数は膨大となる. IT技術により蓄積された膨大なデータに対してデータマイニングが必要となるように, これら膨大な数の解候補から有益な解を発掘する"ソリューションマイニング" の技術が必要になると考えられる.
そこで本研究では,"可視化"のアプローチにより, システム設計という多目的最適化問題において,多次元の評価値を持つ解候補群の 解釈を容易にし,ユーザに効果的に提示することを目的とする. 本研究では,多次元評価値空間上の解候補群を,主成分分析を用いて 可視空間へ射影し,さらに,多次元評価値空間上のユークリッド距離に基づいて, 類似した解同士を可視空間上で凝集させる手法を提案する.
提案手法により,シミュレーションで得られた満足解の解候補群を, 類似した解ごとのまとまりに分離し,その関係性の視覚的な把握が可能となる. 本発表では,降圧チョッパ型DC-DCコンバータのシミュレーション設計を行い, 提案手法を用いて得られた可視化結果を示す.