氏名 : 永田 昌泰 (280567146)
所属 : 金田研
題目 : 高精度な空力音響計算のための無反射境界条件
概要 :
近年、周辺環境への配慮からも空力騒音低減に対するニーズは高まっている。空力
音響
の計算手法の中で、音の発生から伝播までを直接解く方法として直接数値計算(DNS)
がある。
空力音響の問題は音響波のエネルギーが非常に小さいので、空力音響のDNSには
高精度・高解像度な計算スキームが求められる。
しかし、これまで空力音響の数値計算には比較的精度の低い計算スキームを用いた
取り組み
が多い。そこで本研究では空間微分にNiheiらによって提案された高精度、高解像度
な
スペクトル的結合コンパクト差分スキーム(sp-CCD)を用いる。さらに音響問題では外
部境界
での擬似的な反射波を取り除く無反射境界条件が必要である。
本研究は高精度な空力音響のDNSのための無反射境界のCCDスキームによる高精度化
の影響を検証する。無反射境界条件にはTam&Webbの局所的な条件と、Fangの吸収層を
採用する。
特にCCDスキームと適合する吸収層について調べる。数値実験には一様流、ジェット
流中の
二重極球音源からの音波の放射の問題を用いた。
計算結果として、一様流中ではどちらのケースとも解析解との一致が良い。ジェッ
ト流中では
吸収層を用いたケースで反射の除去に成功した。今後の課題としてエオルス音など実
際の
空力音響問題への適用があげられる。
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