氏名 : 佐藤 智紀 (280567090)
所属 : 古橋研
題目 : 身体ダイナミクスの動的改変による四脚ロボットの歩容遷移安定化
概要 :
脚式ロボットは,その高い不整地走破能力から注目を浴びているロボットの一
形態であるが,その制御方策の肝は軌道計画と追従制御である.環境変動に対処
するためにこれらのロボットは,大きな外乱に対応するためにその制御器とはまっ
たく別の検出器において制御モードの遷移を促す.そのような制御方策では多様
な環境で適応的に振る舞うために,あらゆる条件において想定される外乱に対し
てどのように振る舞うかを無数に記述することを要求することになり,非常に甚
大な労力を必要とする.そのような環境下で適応的かつ多様な振る舞いを生成す
るためには制御・機構・環境三者間の創発現象を積極的に活用するしかないと考
える.
今日までに様々な創発現象を活用した振る舞いに関する研究がなされてきたが,
それらの多くは単一のダイナミクス内(intra-dynamics)に留まった研究が多く,
無限定環境下で合目的かつ適応的に振る舞うために必要不可欠だと思われる複数
のダイナミクスの間を遷移する(inter-dynamics)ことをタスクとする研究は依然
として初動段階にあるのが現状である.無限定環境下において多様な振る舞い生
成を実現するためには,inter-dynamicsに関して深く研究する必要がある.
そこで本研究では,創発的振る舞い生成がinter-dynamicsに与える効用を考察
する.inter-dynamicsを研究する上で四脚ロボットに注目した.自然界に生息す
る四脚を有する生物は多様な歩容を行うことが知られている.それら生物を模倣
した四脚ロボットを用いて歩容遷移を観察することはinter-dynamicsを取り扱う
ことと同義であり,研究を進めるに当たって非常に有意義である.本研究では四
脚ロボットの歩容遷移を事例として採り上げる. 本発表では現在開発を進めて
いる四脚ロボットを紹介し,このロボットを用いた実験によって期待されること
に関して説明する.
目次に戻る