正方形ハニカムは自動車の排気ガス浄化触媒担体や熱交換器に用いられている. これらは厳しい環境下で使われているほか,取り付けの際に大きな負荷を受ける ため正確な強度評価が必要とされている.
ハニカムに圧縮負荷を加えると,セル壁に分岐座屈が生じ強度が大きく低下す る.このことから,正方形ハニカムの圧縮強度を評価するためには微視的座屈の 発生メカニズムを明らかにすることが非常に重要である.ハニカムのような周期 材料を解析する方法として均質化理論がある.均質化理論では,周期構造の単位 セルに対して周期境界条件に基づき境界値問題を解くことにより,単位セルの変 形挙動と単位セルを均質体とした場合の巨視的特性を整合的に評価できる.この ため,均質化理論に基づき正方形ハニカムの解析を行うことは,セル構造の座屈 といった微視的変形挙動とハニカムの巨視的特性を整合的に評価することになり, 非常に有用である.
そこで本研究では,均質化理論に基づく微視的分岐と巨視的不安定の観点から 面内単軸圧縮負荷を受ける正方形ハニカムの有限要素解析を行う.また,この結 果を参考にして正方形ハニカムの座屈荷重を解析的に導出し,その検証を行う.