氏名 : 藤田勝己 (280467141)
所属 : 金田研
題目 : 2次元乱流場におけるデータ同化を用いた誤差の抑制機構
概要 :
計算機の発達により巨大な自由度を持つ乱流場を扱うのに数値シミュレーションが有
効な手段となってきている。
しかしながら乱流場の数値シミュレーションにおいて全ての格子点上に正確な初期値
を与えるのは困難であり、
小さな構造に誤差を含んでしまう。その結果、流体間の強い相互作用のため小さな構
造に含まれる誤差が時間発展と共に拡大してしまうことが知られている。しかしある
時間間隔ごとに大きな構造のデータを同化することで、その小規模な流れの誤差の振
る舞いを抑制できることが分かってきた。(Ystom&Kreiss,1998)3次元乱流場では
Yoshidaら(2005)により誤差の発達の抑制は全エンストロフフィーに対する同
化するエンストロフィーの比と同化する最小渦の時間スケールにより決まり、レイノ
ルズ数によらないことが示された。一方2次元乱流場のエンストロフィーカスケード
領域においても、同化による誤差の抑制が確認されているが誤差を抑制するために必
要な同化量を特徴づける物理量は発見されていない。(Morishita,2005)2次元乱流
場にはエンストロフィーカスケード領域の他にエネルギー逆カスケード領域が存在す
る。本研究ではエンストロフィーカスケード領域のみならずエネルギー逆カスケード
領域におけるデータ同化を行い2次元乱流場における誤差の抑制に必要な同化量を特
徴づけることを目標とする。今後大規模な数値実験により幅広いカスケード領域を実
現し、様々な数値実験を行っていく予定である。
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