氏名 : 梅舘 拓也 (280367040)
所属 :
題目 : ER流体を用いた可変弾性要素の開発
概要 :
ロボット(機械システム)の設計においては、機構と制御は同等の重要性を持つにも関わらず、それらの間の相補的・有機的な相互
関係はほとんど考慮されず、システムの機能の高度化は専ら制御側だけの高度化によって成されてきた。このような機構と制御のゆ
がんだ関係が、結果として「力ずく」の制御を行うことになり、計算コストの増大、エネルギー効率の悪化、環境変動に対する頑健
性の低下など様々な問題を引き起こしている。
これらの問題を解決するためには、機構と制御の間の相補的・有機的な相互関係を考慮するべきであり、機構側により重みを持たせ
る設計が重要である。そのような要請から、機械システム全体を複雑なバネ‐リンク系とみることを考える。そして、弾性要素のエ
ネルギーが保持できる性質とショック吸収性を利用することで、機械システム全体の運動効率の改善や、予期せぬ外乱などに対する
頑健性の向上を期待する。繰り返し運動が主体の移動ロボットのような機械システムは、運動に必要なアクチュエータの相当数を弾
性要素で置き換えることできる。既存研究においては、機械システムの弾性要素の特性(バネ定数)を動的に最適化することで、滑
らかで制御を大幅に簡略した移動運動のシミュレートに成功している。しかし、弾性率を動的に制御できるデバイスは開発されてお
らず、実機の開発にはいたっていない。
そこで、本研究では機械システムの力学的運動を司る弾性要素の制御を行うデバイスとして、電圧によって弾性率が制御可能な可変
弾性要素を開発することを目的とする。
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