氏名 : 山本 真太郎 (280267266)
所属 : 金田研
題目 : 圧縮性流体数値シミュレーションのための新しい計算手法の開発
概要 :
本研究の目的は、乱流と衝撃波が同時に存在する場の数値シミュレーションにおいて
有効な計算手法を開発することである。
乱流には様々な長さスケールの波が存在するため、それらを正確に解像するためには
高精度・高解像度な計算手法を用いる必要がある。その代表的な差分法としてCCD
(Combined Compact Difference) スキームがあるが、衝撃波のような物理的不連続が
生じる問題に適用した場合、解の数値的振動が不連続面付近で生じる。この振動は他
の領域にも伝播していき、解全体に大きな影響を与えてしまう。
一方、この振動を抑えて衝撃波を正確に捕らえることができる計算手法として、WENO
(Weighted Essentially Non-Oscillatory) スキームが近年広く用いられている。し
かしCCDスキームに比べて解像度が低く数値的散逸が強いので、音波のような弱い波
は減衰してしまい、正確な解を得ることは難しい。
これらの問題を解決する方法の一つとして、CCDスキームの長所とWENOスキームの長
所を取り込んだHybrid CCD-WENOを現在開発中である。今後は、1次元と2次元のオ
イラー方程式を用いてこのスキームの性能評価をしたのち、3次元圧縮性乱流の数値
シミュレーションに適用する予定である。
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