氏名 : 忽那 周平 (280367074)
所属 : 金田研
題目 : 地球シミュレータを使った一様等方性乱流におけるLog−normalモデルの検証による
乱流の普遍法則に関する研究
概要 :
本発表では、世界最大最速の計算機地球シミュレータによって得られたこれまでにな
い大規模なDNS(直接数値シミュレーション)データを使った一様等方性乱流におけ
るLog-normalモデルの検証について、述べる。乱流は日常生活、自然、工学で、さま
ざまなスケールでいたるところで見られる流れの状態である。乱流はでたらめで予測
不可能ではなくなんらかの法則性があるはずだ。これらの問題に答えるべく多くの研
究がなされてきた。例えば、素粒子物理や統計物理において開発された場の理論や繰
り込み群の方法も導入されたが、十分成功しているとは言いがたい。乱流に従う方程
式はよく知られているが、強非線形性、大自由度、開放系などが難しさの要因となっ
ている。熱平衡系と違って非平衡・開放系である乱流に対して統計力学的段階はいう
までもなく、現象論的段階においてさえも、熱力学のボイル-シャルルの法則のよう
に普遍的に成立する法則はまだ知られていない。このような状況では、物理的に妥当
と思われる仮説を導入し、その結果を実験や観察と比較し、検証をする方法が有効で
ある。本研究ではlog-normalモデルの検証を行い一様等方性乱流の普遍則を調べる。
また解析方法についてはChenらの論文では線上にエネルギー散逸率の値の平均をとっ
て乱流の統計量を計算しているが、本研究ではlog-normalの仮説に沿って半径rの球
で平均をし、フィルターをかけて統計量を計算する。
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