氏名 : 青山 知弘 (280367015)
所属 : 金田研
題目 : 乱流場における慣性小領域での相似性に関する研究
概要 :
Kolmogorov(1941)の理論が乱流の小スケールにおける統計の普遍性(普遍平衡仮説)と、慣性小領域とエネルギー散逸領域(普遍平衡領域)の存在
を予言してから、普遍平衡仮説に関する非常に多くの研究が実験的、理論的および数値的に行われてきた。乱流の小スケールにおける普遍平衡仮説
は、巨大自由度をもつ乱流現象をモデル化するてがかりの一つであり、乱流が重要な役割を果たす現象を予測するためにも、その検証は非常に重要
である。
本研究では、この慣性小領域内で相似則が成り立つことを、DNSデータを用いて検証することを第一目的としている。まず、DNSデータを波数kcにお
いて、スペクトルカットフィルタを作用させることによりGS成分(低波数成分)とSGS成分(高波数成分)にわける。ここで、GS成分とSGS成分の間
のエネルギー流束(ε_SGS)に着目した。ε_SGSは、SGS応力テンソルとGS成分での変形速度テンソルを掛け合わせたものとして表される。次に、
波数kcを慣性小領域内で任意に決定し、それぞれのkcでのε_SGSを求め相関係数や様々な統計量を求めた。また、慣性小領域内でのエネルギー流束
を実空間において可視化した。その結果、波数kcによらず慣性小領域では似た図が得られることがわかった。今後の目標としては、それらの可視化
結果から得られる相似性を定量的に解析することである。
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