地球規模流動現象を数値シュミレーションしようとすると、格子点数は有限個 に限られてしまい、 また全ての格子点上に正確な初期値を与えるのは困難で、どうしても小さな構造に誤 差を含んでしまう。 そして非線形相互作用のため小さな構造の誤差が時間発展に伴い大きな構造に伝播 し、影響を与えてしま うことが知られている。
しかしある時間間隔ごとに大きな構造のデータを同化することで、その小規模 な流れの誤差の振る舞い を抑制できることが分かってきた(Ystom&Kreiss,1998)。また、K.Hayashi(2001)等 の研究などにより低 レイノルズ数での誤差抑制の為に最低必要な同化の頻度、同化量などが分かってき た。
そこで本研究は、非圧縮条件下でナヴィエ・ストークス方程式の直接数値計算 を様々な格子点数で行い ました。二つの3次元周期境界の一様等方性乱流場を用意し、一方の乱流の速度場か ら、時間発展に伴い他 方の速度場へ大きな構造のデータを同化させることによる誤差抑制の機構、特にレイ ノルズ数依存性につい て調べました。
そして全体の自由度の約1%以上をコピーすること、エンストロフィー比では約 35%以上コピーすることで 小さな構造のもつ誤差が抑制される事がわかりました。