氏名 : 川口 智大 (280167105)
所属 : 金田研究室
題目 : 3点結合コンパクト差分を適用した高速なLevel Set Methodによる二相流数値シミュレーションコード開発
概要 :
1994年、Sussmanらは液体中を上昇する気泡や、気体中を降下する雨滴と云った、互いに溶け合うことの無い二種の流体 -二相流- の運動をLevel Set関数と呼ばれる関数を用いて表現する「Level Set Method」と呼ばれる計算手法を提案した。
しかしこの手法を用いて数値計算を行う際、計算途中に現れるPoisson方程式の計算に多大な計算時間を要するため、工業的な現場に数値シミュレーション方法として持ち込むことは非常に困難である。
この多大な計算コストを必要とする要因として、上記Poisson方程式の解法に二次精度の中心差分を用いているため非常に計算の収束が遅い事と、多くの格子点数を必要とする事が挙げられる。そのため、ChuとFanが提案した、二次精度中心差分に比べて高精度のスキームである「結合コンパクト差分」を三次元に拡張し、Level Set MethodのPoisson Solverに適用することで計算コストの削減を図る。
私の研究の現段階では、厳密解が分かっているDirichlet問題の数値解析に二次精度中心差分を用いてSOR法で解いた場合と、それと同精度の計算をCCD法で解いた場合とで計算時間を比較すると、100倍以上に高速化できることが分かっている。
目次に戻る