そこで,本研究では環境変動に対する実時間での適応を可能とするハードウェアとしてLHW(Learnable Hardware)の概念を提唱する.LHWは,入出力関係の調節法(ルール)を進化の対象とすることで,環境変動に対し実時間での「適応能力」を重視する概念である。これは,環境変動が起こった場合でも,ルールはそれが適用できる限り柔軟に状況変化に対応できることによる.ルールを用いて環境に適応する制御器として,生物の神経回路における神経修飾メカニズムに着目したニューラルネットワークのハードウェア化手法を提案する.これにより.ハードウェアの利点を生かした,制御器の小型化による実装性の向上を実現しつつ,環境変動に対する実時間での適応を可能とする.本研究では,提案手法の妥当性ならびに実装例を示すため,本手法をFPGA(Field Programmable Gate Array)上に実装した完全CPU-lessロボットを構築し,その制御を試みる.