氏名 : 山平 倫道 (280067291)
所属 : 金田研究室
題目 : 2次元乱流に於ける予測可能性とLES
概要 :
地球規模流動現象を解析するにあたり、自然
界の乱流は巨大な自由度を持っているが、数
値計算を行う上で、計算機では有限自由度し
か取り扱うことが出来ない。その為、サブグ
リッドスケール(SGS) のモデル化が必要とな
る。しかしながら、一般の決定論的 LESでは、
例えば初期にSGSのみが異なる流れ場の時間
発展の違いを識別する事が出来ない。
そこで、本研究では、kc以上の高波数モー
ドのみが異なる2つの初期速度場u(1)(x)と
u(2)(x)を設定し、初期のSGS成分の違いがGS
成分の時間発展にどのような影響を与えるか
について、高解像度数値計算(Hi-NS)により
調べた。また、その結果を用いて、LESモデ
ルの予測可能性の評価を行った。
今、上記設定で行った2つのHi-NS (格子
点数:1024*1024) の速度場の差Du(x)=u(1)(x)-u(2)
(x)のエネルギースペクトルの時間発展を観測
すると、速度差のスペクトルは高波数域から低波
数域に発展し、ある有限時間Tでu(1)(x)もしく
はu(2)(x)のエネルギースペクトルと同等の大
きさを持つようになることが分かった。また、
乱流のスペクトル理論(LRA)に基づく渦粘性
を用いたLESにおいて、初期のGS成分をHi-NS
と同じにした結果、LRA理論に基づくLESはHi
-NSのエネルギースペクトルをよく再現して
いることが分った。更に、LRA理論に基づく
ランダムな外力を導入し、速度差のエネルギ
ースペクトルの時間発展を確率論的LESにより
評価する数値実験結果についても、Hi-NSの
エネルギースペクトルをよく再現しているこ
とが分った。
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