氏名 : 村瀬 隆久 (280067259)
所属 : 稲垣研
題目 : 統計情報を用いた漸進的構文解析の効率化
概要 :
近年の音声処理技術の進展を背景に、音声を聴きながらそれを同時
に理解するシステムの実現が試みられるようになった。
漸進的構文解析は、そのようなシステムを実現するための要素技術
であり、自然言語文の入力途中段階でも、その時点までに入力された
構成素間の構文的関係を把握することができる。
しかしながら、漸進的構文解析では、入力された部分全体に対する
構文構造を、語が入力されるたびに作成するため、一文全体の構造
を作成しさえすればよい通常の構文解析手法と比べ、解析効率は
悪い。
そこで本発表では、入力途中の早い段階で、意味情報
を用いて、不適当な構文解析結果を枝苅りする手法を提案する。
文脈自由文法を用いた漸進的構文解析では、新たな単語が入力され
るたびに、それが入力される前に作成された構文木と入力単語に対
する構文木を結合することにより、新たに全体の構文木を作成する。
本手法では、互いの語と語の依存関係情報をもとに、尤もらしくな
い構文木を作成する結合操作を回避する。
依存関係に関する語彙情報は、構文木付き大規模コーパスから自動
的に獲得することができる。
ATISコーパスを用いた解析実験の結果、作成される構文木数の減少
により処理時間が低下することを確認した。
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