氏名 : 見澤 勝豊 (280067232)
所属 : 杉原研
題目 : エネルギーを保存する差分スキームの導出
概要 :
物理系を記述する常微分方程式を解く場合,一般的によく知られている手法に
オイラー法やルンゲクッタ法がある.
しかし,これらの手法は,系がエネルギーを保存する場合であっても,エネルギー保
存を考慮していないため,保存すべき
エネルギーが徐々に増大,もしくは減少して,不安定となってしまうことがある.
エネルギーを保存する系に対しては,エネルギーを保存するような数値解法
(差分スキーム)が望まれるわけである.これまでにも,エネルギーを保存する
差分スキームを構築する多くの研究がなされてきているが,それらは,方程式
そのものを差分化し,その際エネルギー保存を考慮するという形が一般的で
あった.これに対して,本発表では,エネルギーの保存式から出発することに
よって,エネルギーを保存する差分スキームが機械的に導出できることを示す.
とくに,具体例としてケプラー問題を取り上げ,差分スキームの導出過程や,
数値実験結果を提示する.さらに計算労力を減らす方策(適応刻み幅制御,
スキームを陽的にする技法)についても併せて提示する.
目次に戻る