本研究の目的は、医用内視鏡ナビゲーションシステムを実現するための内視鏡カメラ動き推定手法の開発である。 内視鏡を扱う医師を支援する医用内視鏡ナビゲーションシステムは、実内視鏡像上に仮想化内視鏡システムから得られるナビゲーション情報を表示するものである。 その実現には、実内視鏡カメラの動きを推定し、実内視鏡と仮想化内視鏡の観察位置・姿勢を合わせる必要がある。
本手法では、実内視鏡像1フレームに対し複数の仮想化内視鏡像との類似度を計算し、最も類似した仮想化内視鏡像を生成した仮想化内視鏡の位置・姿勢を実内視鏡カメラの位置・姿勢とすることにより、実内視鏡カメラの動きを推定する。
この画像間の類似度を利用した推定法に基づき、本手法は次の2ステップから構成される。
(a)実内視鏡像と臓器壁面の模様をテクスチャマッピングした仮想化内視鏡像を用いた粗推定
(b)実内視鏡像と臓器形状のみを反映した仮想化内視鏡像を用いた推定
本報告では、テクスチャマッピングされた仮想化内視鏡像と実内視鏡像間の類似度を
評価するための評価関数に関して比較・検討を行なったので報告する。