カーナビゲーションで提供される地図情報などの視覚情報は、受け取り手であ るユーザの注視点やユーザの事前知識などによって、異なる情報量を持つ情報と して捉えられていると考えられる。しかし、これまでは表示される視覚情報の情 報量と視認時間との関係が論じられてきたに過ぎず、視覚情報の持つ物理量とユ ーザが受け取る情報量との関係は、これまで注目されたことがない。
視覚情報の物理量とユーザの受け取る情報量の基本的関係を示唆する項目とし ては、誘目性、視認性、知足性、文脈性といったものが知られている。本研究で は、上記の項目の内、比較的低次の関係について理論的、定量的に評価を進める 予定である。さらにユーザの嗜好性などの個人差を考慮に入れた評価についても 検討していきたい。本研究の成果はカーナビゲーションに関わらず、様々な情報 表示装置へ幅広く応用できると期待される。