これまでの吹き付けモデラはZ-Listという構造を用いて物体の形状を記述 していた。Z-Listは、Z方向を高さに選んだ正四角柱の集まりとして物体を表現する ので、吹き付け方向をZ軸に選ぶことで、高速な形状変形が可能である。しかし、吹 き付け方向を変えるたびに形状をサンプリングしなおさなければならないため、 量子化誤差により物体表面に不必要な凹凸が生じてしまう。
本研究では、Z-List記述とサーフェス記述の長所を融合して、高速かつ回転による 変形を生じない吹き付けモデリングを提案する。具体的には、物体表面をポリゴ ン で記述することで、再サンプリングを不要にする。ただし、吹き付けで移動する 頂点や変形されるポリゴンを効率よく見つけるため、Front-Listと Polygon-Listを導入する。作業空間はZ-Listと同様にz軸方向に伸びた正四 角 柱に分割される。部分空間毎に、そこに含まれるポリゴンがPolygon-Listに、粒子が 到達し得る頂点がFront-Listに記録される。これらのリストを用いることで、従来の システムと同様に実時間モデリングが実現できた。