ガラス繊維などの粒子を分散させた材料の物性は、粒子の形状、配向、凝集、変形な
どによって影響される。
たとえば、ガラス繊維が含有した材料において、粒子が配向する方向には、強いが、
その他の方向には、弱いということが起こり得る。そのため、製品が予想出来ない変
形、破壊を受けることがある。
すなわち、分散した粒子を制御できれば、健全な製品設計を行うことが出来る。
そこで、流動場に分散し、変形、破断を伴う粒子をシミュレーションする。 豊田中央研究所の山本智氏らによって提案されたシミュレーション技法「PSM (Particle Simulation Method、粒子シミュレーション法)」を基礎にして、本研究を 行う。 このシミュレーション方法は、繊維や板状粒子を連結した球で、表現する。 球の間は、ばねで連結されており、粒子の「のび」、「まげ」、「ねじれ」を表現す ることが出来る。 そして、個々の球についての運動方程式を解くことで、粒子全体の運動を予測する。
本研究では、PSMを用いて、電気粘性流体、磁性流体のような発展した問題をシミュ レーションすることを考えている。