氏名 : 船瀬 新王 (289967244)
所属 : 内川研
題目 : 独立成分解析を用いた眼球運動時の脳波解析
概要 :
Brain computer interface (BCI) は、ヒトとコンピュータとを脳波を用いて結びつけ
るインタフェースである。
このインタフェースの利点は、"使用者がこのインタフェースを使うために陽に運動を
起こさなくてもよい"、ということである。
これまで私はBCIの研究を行ない、眼球運動時の脳波を用いてディスプレイ上のマウス
カーソルを動かす新しいBCIを提案した。
現在このインタフェース開発のための基礎研究として、眼球運動とそのときの脳波の
関連を調べている。
これまでの研究で、視覚・聴覚刺激へ向けて眼球運動を行なう約25ミリ秒前に後頭葉
で脳の電位の変化が生じるということを確認した。
そこで今回、新しく独立成分解析と呼ばれる信号処理法を導入して、眼球運動開始約
25ミリ秒前に観測される特徴量がなにに関連しているかを詳しく解析した。
独立成分解析とは、
- 観測された信号はそれぞれの信号源から発生した信号の線形和で表すことができ
る
- それぞれの発生源から発生した信号は互いに独立である
と仮定し、観測された信号から信号源で発生した信号に分離する手法である。
独立成分解析を行なって得た結果は、
- 前回の結果と同様な形状、スパイク状
- 前回の結果と潜時がほぼ同じ、眼球運動開始約25ミリ秒前
であった。このことより、この二つの結果は同じ信号をとらえていると推測される。
また脳神経科学的な文献や観測された潜時などから、この信号は眼球運動に関連した
電位でないかと推測される。
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