氏名 : 吉岡 政洋 (289934346)
所属 : 末永研
題目 : 大規模3次元濃淡画像のボリュームレンダリング手法に関する研究
概要 :
近年、x線CT像などに代表される3次元濃淡画像の可視化手法として、
ボリュームレンダリング技術が注目されている。
ボリュームレンダリング法は、3次元濃淡画像の各格子点に対して、
色や不透明度などの内部情報を定義し、視点位置から視線方向に向かって
レイキャスティングを行うことにより、3次元濃淡画像の可視化を行うものである。
3次元画像の情報を有効に提示するには、
様々な視点位置・方向からの観察などの対話性が要求される。
3次元濃淡画像の可視化処理において、
実行中計算機は画像の全要素にアクセスできることが必要であり、
常に膨大な情報量をメモリ上に保持しなければならない。
特に最近では、撮影装置の進歩により画像の解像度が高くなり、
1ギガバイト程度の画像も珍しくなくなってきている。
1台の計算機で取り扱うことのできるメモリ量には限りがあり、
これらの画像を1台の計算機で可視化することは困難である。
そこで本研究では、画像データを複数台の計算機上に分散し、
ネットワーク通信によって並列にボリュームレンダリング処理を行う手順を提案する。
提案手法を512×512×512の画像データに適用し、
処理に必要なメモリ量について評価を行った。
その結果、1台の計算機を用いて処理を行った場合に消費されるメモリ量は
約722MBになるのに対し、
4台の計算機上に分散して処理を行った場合、
計算機1台あたり約280MBまで抑えることができ、
今後、ギガバイト規模の画像データを扱った
ボリュームレンダリング処理が可能となることが確認された。
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