本研究では顔認識のための顔画像表現法として、形状とテクスチャを分離した表現方法について調べる。
具体的には、顔画像を特徴点の座標列で表される形状情報と、画像を平均の形状に変形して得られるテクスチャ情報とに分離し、それぞれについて主成分分析により低次元の特徴ベクトルで表現する。
顔画像集合について、まず、特徴点の座標値の平均を求めることで平均の形状が得られる。次に、モーフィングの手法を用いて画像をもとの形状からこの平均形状に変形させることで、形状フリーのテクスチャデータが得られる。これによりテクスチャ情報から個々の顔に含まれる形状の情報が取り除かれるため、より的確な情報が得られる。
このようにして分離したデータに対して主成分分析を行い、得られた低次元の部分空間を用いて顔認識を行うことで、認識精度が向上することが期待される。