厳密解の渦と周辺の流れと相互作用させたとき、解析的に近似でしかない非定常な解が得られる。この解を可視化すると時間的に渦の形が変化してみえる。この時間発展は解の境界条件にも依存する。渦度のスペクトルはもしも解の水平規模が小さければ、かなり正確に渦の非線形性を示すだろう。従って、将来、緯度や渦の半径、周囲の流れの強さなどを変えて、渦の非線形性まで調べることができるかも知れない。
渦の時間発展を差分近似で解くことよりも厳密解をDNSで流れと相互作用させて解く方が、解の安定性を議論しやすい。従って、ソリトン解をもとの厳密解として流れと相互作用させて、渦のエネルギーの変化、エンストロフィーの変化の計算結果から、解の定常性がわかる。また、渦の局所的な構造の変化は、contour dynamicsによっては何ら明確に解けなかった解の変化として本方法から得られるであろうと期待する。
本研究は、世界的にも従来のcontour dynamicsとは異なる非定常渦運動として新しい研究である。台風の発達を解析する模型として有意義であることを期待する。