氏名 : 神田 寛行 (289867118)
所属 : 内川研究室
題目 : 人工眼での神経活動を誘発する効率的な電気刺激
概要 :
現在、完全失明を回復させる治療方法はない。そこで我々のグループでは電気
的に脳神経系に刺激を与え視覚を回復させる人工眼の開発を進めている。人工眼は狭
い眼球の中に埋め込むため省電力設計が求められる。効率的に神経を興奮させるため
には電気刺激パターンや電極設計の研究が不可欠である。
より多くの神経を電気的に興奮させるためにはどのようにすればよいのか?その問
題について、本研究では動物実験を通して調べた。多点電極を動物の脳内に挿入し視
覚関連部位に様々な電気刺激パターンを与えた。電気刺激には単一パルスを用い、次
の3つのパラメータを変えて実験をおこなった。
電気刺激による脳の興奮度を知る目安として視覚野表面の脳波の振幅を測定した。
実験の結果どのパラメータを大きくしても脳波は大きくなった。しかし、脳波の増
加率はパラメータにより、変化があることがわかった。電流値と電極の両方を大きく
するとより多くの神経細胞を興奮させることができるためにこのような結果になった
と考えられる。しかし、パルス幅と脳波の関係について説明はまだできていない。
今後は電気刺激時の消費電力と脳波の関係について考えていく予定である。
目次に戻る