氏名 : 水谷 祐一 (289867304)
所属 : 高木研
題目 : 直列連接畳込み符号の交錯法に関する研究
概要 :
直列連接畳込み符号(Serial Concatenated Convolutional Codes,SCCC)は、
Turbo符号(Parallel Concatenated Convolutional Codes,PCCC)と並び、
重要な符号化復号法として近年注目されている。これは、Berrouらにより
対数尤度比(Log Likelihood Ratio,LLR)を用いた軟判定反復復号(Turbo復号)
が提案されたことで、新たに考案された符号化復号法である。符号化率1/2,2/3の
各畳込み符号(外符号・内符号)をインターリーバを介して直列に連接し、
PCCCと同じく軟入力/軟出力(Soft-Input/Soft-Output)復号器を用いて
反復復号を行う。ユニフォームインターリーバによる性能解析により、高SN比に
おいてはPCCCよりも高いインターリーバ利得が得られPCCCにおける
エラーフロアに関しては良好な特性を示すものの、低SN比では一般にPCCCに
劣ることが知られている。
本研究では、低SN比におけるSCCCの復号特性を改善する
インターリーバ設計を目的とし、外符号器の出力(組織出力と検査出力)
をそれぞれ異なるインターリーバで交錯する手法を提案する。
各出力を一つのインターリーバで交錯する従来手法は、偶数重み2k
(kは自然数)をもつ入力系列に対する最小符号語重みが、k=1のとき6、
k>1のとき2k+2である。一方、提案手法は、奇数重みをもつ
入力系列に対する最小符号語重みは従来手法と同じ値(2k+5)を示すものの、
偶数重みをもつ入力系列に対する最小符号語重みはk=1のとき8、
k>1のとき2k+4となる。したがって符号の自由距離が拡大される
ため復号特性を改善できると考えられる。本発表では、インターリーバとして
最も一般的な擬似ランダムインターリーバにより、従来手法と提案手法を
比較した結果を示す。
目次に戻る