気象予報のための数値計算において、海洋からの影響など
気象に関する要素をすべて考慮することは困難である。また、
それらの要素を無視した簡単な流体方程式においてもすべての
スケールの渦を解像する直接数値計算は、将来の計算機能力の
発展を考えても、不可能である。そこで、気象の要素に対する
モデル化及び小さなスケールの渦(乱流)のモデル化の必要が
生じる。NCAR Climate Community Model 3.6(以下、CCM3.6)は、
気象予報モデルの一つで、大気・海洋など気象に関するモデルの
改良を促進するために、全世界に公開されているものである。
本研究では、CCM3.6において、特に流体運動(乱流)に関係する
モデルの部分に注目し、パラメータによるモデルの感受性を
比較することからモデルの妥当性を検証することと、計算負荷を
低減させるためにモデルを改良することが目的としている。
現在、CCM3.6を実行した結果を可視化することにより、
パラメータによるモデルの感受性を定性的に比較することが
できた。
今後の課題としては、パラメータによるモデルの感受性や
計算負荷の定量的な比較を行い、モデルを検証・改良していく
ことが挙げられる。