このような性質は個々の高分子物質によって異なり、また、 歪と応力の関係は大変形の場合非線形となるので、 高分子物質の粘弾性を実験によって定式化しようとしても 大変形の場合それは非常に困難である。
そこでこれまで様々な方法で高分子物質をモデル化し、 その非線形粘弾性を記述しようという試みが為されてきた。 中でも Doi-Edwards 理論は、 均一な分子量(単分散)の直鎖型高分子からなる高分子溶融体の応力緩和を 正確に記述することに成功した。
本研究では、Doi-Edwards 理論以後になされた、 分子量にばらつきがあり(多分散) 直鎖型以外の高分子にも適用できるように拡張された MLD (Mead-Larson-Doi) 理論に基づいて伸長流のもとでの応力を計算し、 実験との整合性について調べる。
発表の場ではこれまでの進展状況を報告する。